<全国高校野球選手権:津田学園3-1静岡>◇7日◇1回戦

1球が、1つのプレーが勝負を分ける。令和となって最初の夏。熱い戦いのワンシーンを「ヨネちゃんの『プレー』バック」と題して切り取った。

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5つ目の盗塁は許さなかった。津田学園・阿萬田(あまた)琉希捕手(3年)は、静岡の仕掛けを予想していた。3点リードの8回、1点を奪われ、なおも2死一塁。その初球に走ってきた。「ずっと走られていたんで、また来ると思いました」。やっと本来の肩を見せ、ピンチを断った。

遠投115メートル。2秒で合格と言われる二塁送球は1・84秒を誇る。そんな強肩が、この試合は走られっぱなしだった。1、5、6、8回に計4盗塁。1失点も、二盗を許した直後に適時打された。「(送球時の)握り替えが遅れたし、送球の精度も甘かった」。猛追を断ち切っても、反省の言葉が続いた。

一塁走者が盗塁を企図してきた際、阿萬田はマウンドに立つ前佑囲斗投手(3年)の右肩を目標にして二塁へ送球する。「ボールがシュート回転するんで、右肩を狙うと、いいところに行くんです」。

次戦は履正社が待ち受ける。「自分のことより、チームが勝つことが一番」と言う。中5日ある。勝利に向け、送球を再チェックするつもりだ。【米谷輝昭】