新型コロナウイルスの影響で中止された今春センバツの出場32校を招く「2020年甲子園高校野球交流試合」が10日、開幕する。各校1試合ずつ計16試合が行われる。対戦カードと各試合の見どころを紹介。

甲子園交流試合の見どころを紹介
甲子園交流試合の見どころを紹介

8月10日(月・祝)

◆第1試合 大分商-花咲徳栄=午前10時

大分商はプロ注目の最速147キロ右腕、川瀬のデキがポイント。チェンジアップ、カットボールなど変化球も多彩に操る。花咲徳栄は高校通算50本塁打の井上を中心に破壊力ある打線が魅力。初回から積極的に点を取りに行き、先制逃げ切りを狙う。

◆第2試合 明徳義塾(高知)-鳥取城北(鳥取)=午後0時40分

明徳義塾はエース左腕の新地が抜群の制球力。堅い守備からリズムを作る。俊足奥野から始まる打線も切れ目がなく馬淵采配も注目。鳥取城北の投手陣は140キロ超の松村ら豊富な陣容を誇る。高い得点力で昨秋中国大会準Vに導いた攻撃陣は打線に切れ目がない。

8月11日(火)

◆第1試合 天理(奈良)-広島新庄=午前10時

天理は昨秋神宮大会で守備が乱れた反省を生かし、ディフェンスを鍛えてきた。強打者瀬、193センチ右腕達の2年生コンビにも注目。広島新庄は迫田前監督が築いた守りのチーム。投手陣は秋山、秋田の左腕2人が軸。俊足巧打の下らの打線はしぶとくつなぐ。

◆第2試合 創成館(長崎)-平田(島根)=午後0時40分

創成館は鉄壁守備で勝利を目指す。4強入りした昨秋九州大会は3戦無失策。伝統の投手リレーの強みも甲子園で生かす。21世紀枠の平田は守り抜く野球。昨秋は多数の接戦を制し、中国大会ベスト8。エース古川は多彩な変化球で打ち取る技巧派右腕。

◆第3試合 明豊(大分)-県岐阜商(岐阜)=午後3時20分

明豊はエースで主将の最速144キロ左腕、若杉が大黒柱。173センチと小柄ながら、プロ注目の素材で昨秋九州王者をけん引する。県岐阜商はセンバツ用に新調したユニホームで戦う。森、野崎ら140キロ超の投手陣をそろえた。主砲の佐々木は抑えも務める。

8月12日(水)

◆第1試合 智弁学園(奈良)-中京大中京(愛知)=午前10時

智弁学園は昨秋の公式戦8試合で14本塁打の強力打線が看板。2年生4番前川の打力は随一、1番の白石も長打が狙える巧打者。中京大中京は昨秋神宮Vに導いた153キロ右腕高橋が初の甲子園でどんな投球を見せるか。強肩捕手の印出、遊撃中山ら守りも堅い。

◆第2試合 鹿児島城西(鹿児島)-加藤学園(静岡)=午後0時40分

鹿児島城西はダイエー、阪神などでプレーした佐々木誠監督が甲子園初采配。監督直伝のフルスイングを聖地で披露する。加藤学園は昨秋の県、東海大会全8試合を完投したエース肥沼がチームの大黒柱。大村、杉山ら中軸の勝負強い打撃で援護したい。

8月15日(土)

◆第1試合 履正社(大阪)-星稜(石川)=午前10時

履正社は昨夏全国制覇に貢献したエース岩崎がさらに安定感が増した。プロ志望で最速147キロ、190センチ右腕の内は力で抑え込む。星稜は昨夏の甲子園準Vを遊撃手で経験した内山主将が捕手となり、攻守でチームを引っ張る。投手陣は荻原、寺西の両右腕が安定。

◆第2試合 磐城(福島)-国士舘(東京)=午後0時40分

磐城は最速141キロで、6種類の変化球を操るエース右腕、沖を中心にディフェンス力で勝負。捕手の岩間主将の統率力も抜群。昨秋都大会優勝投手のエース中西を中心に伝統的な守りの野球で戦う。1年から主軸の黒沢や大砲の有馬がおり攻撃力も上がった。

◆第3試合 仙台育英(宮城)-倉敷商(岡山)=午後3時20分

仙台育英はドラフト候補の入江や宮本を軸に、機動力を絡めた全国トップ級の攻撃力が武器。最速143キロ左腕・向坂も成長著しい。昨秋中国王者の倉敷商は投打にまとまりあり。右の福家から左の永野への継投が勝利の方程式。打者は勝負どころでの集中力が光る。

8月16日(日)

◆第1試合 明石商(兵庫)-桐生第一(群馬)=午前10時

明石商は昨年甲子園春夏4強に導いた最速151キロ右腕の中森と、強打の1番来田のコンビが引っ張る。守りも堅実で総合力が高い。桐生第一の蓼原は今冬急成長し、最速144キロ右腕に。左腕の宮下とのダブルエースで、守備からリズムを作っていく。

◆第2試合 帯広農(北海道)-高崎健康福祉大高崎(群馬)=午後0時40分

帯広農はエース井村と水上、千葉俊の3投手でいかに相手打線の目線を散らすか。ミスなく堅実野球で創立100周年に花添える。昨秋神宮大会準優勝の高崎健康福祉大高崎は左腕エース下と強肩捕手・戸丸のバッテリーが息ぴったり。機動破壊の積極走塁も健在。

◆第3試合 鶴岡東(山形)-日本航空石川(石川)=午後3時20分

鶴岡東は昨夏甲子園16強メンバー山路、小林や、4番馬場らを中心に、昨秋の東北大会3戦連続10得点の強力打線が健在。日本航空石川は、最速147キロを誇る191センチ、106キロ右腕の嘉手苅(かてがる)に注目。パンチ力十分の4番で打線もけん引する。

8月17日(月)

◆第1試合 大阪桐蔭(大阪)-東海大相模 (神奈川)=午前10時

大阪桐蔭は西野、仲三河、船曳、吉安とそろう打撃陣の破壊力は満点。エース左腕藤江を中心に2年生の関戸、松浦ら投手陣も充実。東海大相模は昨夏甲子園メンバーが多く残り経験値高い。山村、西川、鵜沼のプロ注目トリオ擁する打線は迫力十分で投手陣も豊富。

◆第2試合 智弁和歌山(和歌山)-尽誠学園(香川)=午後0時40分

智弁和歌山は伝統の強打が健在。リードオフマンの細川を軸に打線は切れ目がない。エースの小林樹は最速148キロの本格派右腕。昨秋四国大会準優勝の尽誠学園は勝負強い打線と堅守で勝負。外野手の福島は同校OB谷佳知氏(47=元オリックス)を叔父に持つ。

◆第3試合 白樺学園(北海道)-山梨学院(山梨)=午後3時20分

明治神宮大会4強の白樺学園は最速148キロエース片山、右横手の坂本武の2本柱が安定。打線も1番川波から下位まで長打狙える。山梨学院は昨秋、多彩な攻撃で関東大会準優勝。冬は長打力を磨き、昨夏も甲子園出場の栗田、小吹を中心に攻撃に厚みを増した。

注目選手

・投手では、最速151キロ右腕の明石商・中森俊介投手(3年)がドラフト上位候補。中京大中京・高橋宏斗投手(3年)は進学希望だが、昨秋神宮大会優勝投手で高評価を受ける。最速147キロの大分商・川瀬堅斗投手(3年)同148キロの白樺学園・片山楽生投手(3年)は右の本格派。

・左腕では、昨秋神宮大会準優勝の高崎健康福祉大高崎・下慎之介投手(3年)や明豊・若杉晟汰投手(3年)がいる。

・野手では、明石商の1番来田涼斗外野手(3年)は思い切りのいいスイングが魅力でドラフト上位候補だ。東海大相模は山村崇嘉内野手、西川僚祐外野手、鵜沼魁斗外野手(いずれも3年)のトリオが引っ張る。花咲徳栄・井上朋也内野手(3年)のパワーに、仙台育英・入江大樹内野手(3年)の勝負強さも注目。昨夏甲子園優勝の履正社は関本勇輔捕手、小深田大地内野手(ともに3年)ら好選手がそろう。同準優勝の星稜・内山壮真捕手(3年)は遊撃から転向して臨む。

主な開催要項

◆大会名称 2020年甲子園高校野球交流試合。

◆日程 8月10~12日、15~17日。各チームの滞在時間を短くし、近隣地区を日帰りとするため1日3試合まで。

◆試合方法 今春中止になった第92回選抜大会の出場校に選ばれていた32校を甲子園球場に招待し、各校が1試合ずつ行う。9回同点の場合、延長10回からタイブレーク制採用。

◆招待人員 1チームあたり責任教師(野球部長)、監督、ベンチ入り選手20人(例年の18人から2人増)、記録員1人、ノッカー1人、補助員5人、校長または校長に準じる者1人の計30人。

◆開会式 8月10日の大会第1日の第1試合に出場する大分商、花咲徳栄の2校で行う。

◆中継 NHKテレビ、ラジオ、BS朝日で全16試合を生中継する。