秋季高校野球西部地区大会の組み合わせ抽選会が7日に行われ、県内3地区の組み合わせが出そろった。

西部地区大会の1回戦(14日)で遠江総合と対戦する浜松日体は、昨春から校内でICT(情報通信技術)を導入し、全校生徒・教員にタブレット端末が支給された。野球部では、この環境をフル活用し、技術の向上に努めている。今大会で成果を発揮し、秋の県大会に初出場するつもりだ。

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浜松日体が、テクノロジーを駆使して変わりつつある。昨春からICTを活用した教育が推進され、タブレット端末へインストールされた授業支援アプリ「ロイロノート・スクール」などを通じ、生徒と教員の双方向コミュニケーションが活発になった。野球部も、選手たちが同アプリを使用して練習メニューの提案などをするようになり、チームの主体性が高まった。

この状況に手応えを感じている杉田享監督(39)は「それまで受け身だった子たちが、1つの作戦について疑問を持ったり、考えるようになった。チームテーマの『考動(こうどう)』にもつながっている」と話した。休校期間中も、各選手からアプリ上にその日の自主練習内容の報告が送られ、監督がチェック。感想を書いて送り返すといった、緊密なコミュニケーションがとられた。

松田巨太郎(こたろう)主将(2年)は「アプリをもっとうまく使えば、より強くなれると思う」と胸を張った。今月初めに胸郭出口症候群の手術をしたばかりで、秋季大会出場は絶望的だが「声を出してチームを支えたい。県大会出場を勝ち取って、ICTで強くなった成功例になりたい」と力を込めた。【河合萌彦】

◆浜松日体高校 1962年(昭37)に創立され、翌63年に開校した。2002年(平14)に浜松日体中が開校し、中高一貫校となった。日体大系列のため、運動部が盛ん。特に陸上部と男子バレーボール部は強豪として知られている。野球部は1963年に創部。夏の過去最高は73年の県16強。春の県大会は17年に初出場を果たした。主なOBは、70年代にプロ野球の東映や日本ハム、広島に所属した皆川康夫・元投手(72)。