初出場の京都国際が、甲子園の怖さを思い知った。4-2と2点リードで最終回に入ったが、先発の左腕森下瑠大(りゅうだい=2年)が連打を浴びるなどで1点を返され、なお四死球で2死満塁のピンチ。ここで東海大菅生の代打・多井耶雲(やくも)に直球を右翼線へ運ばれ、2点逆転サヨナラ二塁打にされた。

森下は「自分の力のなさだと思う。絶対に抑えたかったが、勝負を急いでしまった」と悔やんだ。9回のマウンドでは「球場の雰囲気が変わった」と甲子園の“魔物”の存在も感じた。

背番号1を背負う平野順大(じゅんた=2年)とダブルエースだが、平野が2回に右肘付近に死球を受けたことで腕に力が入らず、継投もできなかった。森下は「次の試合に平野を投げさせてやれないのが申し訳ないです」と唇をかんだ。

強豪の東海大菅生に2点を先制されながら、5回に集中打で4点を奪い逆転。初出場での8強は目の前だったが、甲子園は甘くなかった。小牧憲継監督(37)は「成長した部分とできなかった部分とが両方出た試合。十分戦える自信はついたと思います」と夏へ向け、チームのレベルアップを目指す。森下も「(甲子園は)自分の力のなさを痛感させられた場所でした。もっと実力をつけて夏に戻ってきたい」と雪辱を誓った。【高垣誠】

▽京都国際・中川(5回に一時は逆転となる3点打) (5回は)真っすぐを張って体が反応しました。(9回は)バッターがいいのでつながれて、あせった。相手にのまれた感じです。

▽京都国際・平野(逆転サヨナラ負けに) (右翼守備でサヨナラの打球に)追いつけそうだったが、追いつききれなかった。イチかバチかで飛び込むべきだった。後半に投げる予定でしたが(右肘付近に死球を受け)投げられなかった。