春季北信越高校野球大会は5日、ハードオフ新潟ほかで開幕する。地元新潟から出場する県大会上位4校の横顔を紹介する。1回目は県3位の新潟明訓と新潟。高岡第一(富山1位)と1回戦で対戦する新潟明訓は県大会1本塁打で打撃好調な種崎樹左翼手(3年)が持ち前の勝負強さでチームを引っ張る。

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種崎は打撃練習でフォームを確認する。強い打球を求め、右手で押すことを意識しながらバットを振り続ける。

県大会2回戦の新潟第一戦では左翼へ公式戦初本塁打を放ち、16-1(5回コールド)と打線爆発の火付け役となった。初本塁打には昨秋の北信越大会の悔しさが詰まっていた。昨秋大会の準々決勝・敦賀気比戦だった。本塁打と思った打球は失速し、左飛になった。「ドンピシャで当たったが全然打球が飛ばなかった。これじゃまずいなと思った」。ウエートトレーニングで体重も5~6キロ増量。腕もひと回り大きくなり、ぶかぶかだったアンダーシャツやズボンもピチピチになるまで鍛えた。

県大会では19打数5安打と打率は高くはないが、5試合で6打点をたたき出した。ここ一番、勝負強い5番打者になった。島田修監督(56)も「県大会ではプロセスが一番、しっかりしていた。北信越大会では強豪との対決で自分の成長度を確認できる大会にして欲しい」とさらなる活躍に期待を込めた。

試合当日は願掛けで「部室の掃除」を必ず行っているという。集合時間の1時間前には学校に到着し、ごみ拾いなども行う。「スッキリした気持ちで試合に臨める」と勝負強さの秘訣(ひけつ)を明かした。北信越大会に向けて「初回、1球目、ひと振り目と『1』にこだわってやっていきたい」と集中力を高めていた。【飯嶋聡美】

◆種崎樹(たねざき・いつき)2003年(平15)9月19日生まれ、新潟市出身、黒埼中卒。アニメMAJORの主人公「茂野吾郎」に憧れ、小2の冬から新潟中央リトルリーグで野球を始める。中学時代は新潟シニアに所属。右投げ右打ち。177センチ、70キロ。