埼玉大会の開幕戦は、東農大三が白星スタートを切った。秋、春とどちらも地区予選初戦敗退を喫したチームが、鬼門の初戦を突破。先発の加藤竜馬投手(3年)が、141球で被安打5の2失点、9奪三振で完投した。

開始式終了後、雨が強まったため約2時間遅れで始まった試合。試合中も雨が降り続き、高広聖也監督は「初戦で負けてきたチームでしたが、開幕カードを(抽選会で)引いて、悔しさを持って腐らずにやってきた結果。うれしく思います」と話した。

加藤は、キレのある直球を軸に8回まで無失点に抑えた。9回は守備の2失策もあって2点を失い、完封勝利を逃した。「完封は、ちょっと意識していました」と残念がった。試合開始が大幅に遅れたが、ロッカールームでは、試合と関係のない雑談をするなどリラックスして過ごしていた。雨の中の試合を想定し、ぬかるんだグラウンドでの練習も行っていた経験がしっかり生きた。丸山幸輝主将(3年)は「ロッカーではだらだらしていて、だからアップに入る時に切り替えることができて、まとまれたと思う。1つ勝てて、ホッとしています」と笑顔だった。

高広監督は「加藤は、ストレスがかかる中での試合だったが、粘り強く投げてくれた」と話した。