キラッと輝いた! 立花学園の最速150キロ右腕・永島田輝斗(ながしまだ・きらと)投手(3年)が、4回2安打5奪三振無失点の好リリーフでチームを勝利に導いた。2点を勝ち越した6回から2番手で登板し、持ち味の直球とカットボールを軸に力投。180センチ、85キロで、今年の春季大会で投手デビューしたばかり。潜在能力十分の背番号「10」が夏初陣で、その名の通り輝かしいデビューを飾った。

9回2死一塁、最後の打者を三振に仕留めた右腕は、ほっとした表情で整列へ向かった。「最後は気持ち良かったです。最初は緊張があって思ったような球が投げられなくて。変化球は良かったんですけど、真っすぐが次の試合の課題かなと思います」と冷静に夏デビュー戦を振りかえった。

投手経験の浅い右腕は6回、先頭打者にストレートの四球を献上。次打者に犠打を決められ、いきなり1死二塁のピンチを招いたが、なんとか後続を断つと流れに乗った。直球はスカウトのスピードガンで144キロを計測。制球に苦しんだが、カットボールやフォークボールは低めに決まった。

同校が19年から用いる測定機器「ラプソード」では、直球の回転数は2300回転をマーク。本格的に投手に取り組んだ1年夏には1900~2000回転前後だったというが、横の動きの意識と下半身を中心としたウエートトレーニングの成果で着実に数値もアップ。プロの平均値が2200回転前後で言われる指標で、現在は高い水準をを示すまでになった。

同校の過去最高成績は県8強。その先の甲子園、そして自らはプロへ。評価も高まるばかりだが「(高評価は)まだ自分には早いかなと思います。この大会を通じて、もっともっといろんな人に知ってもらいたいなと思います」。

インパクトのある名前を全国区へ-。まずは神奈川から存在感を示していく決意だ。【鈴木正章】

 

▽オリックス上村スカウト(立花学園・永島田を視察し)「体の強さがあるので、そこが一番いいところというか持ち味。いろんなものを試してやっているのが、試合の中でも見える」