沖縄尚学が全国最速で甲子園切符を手にした。2点を先制されながらも中部商に逆転勝ち。コロナ禍で開幕が2度も延期になった沖縄大会の頂点に立った。2安打1打点で勝利に貢献した主将の仲宗根皐(こう)内野手(3年)は「練習から3年生を中心に声をかけあってきたチームワークが出ました」と喜んだ。

再三にわたる緊急事態宣言の発令で、何度も部活動停止を余儀なくされた。昨春、同宣言明け直後の練習では部員の足がつり、脱水症状に。比嘉公也監督(40)は「生活リズムが悪かったり、クーラーのきいた部屋にずっといたからでしょうね」と振り返る。その教訓を糧に、チームの意識が変わった。全体練習ができない日は、各自で気温が高い日中に体を動かすようにした。仲宗根主将は「大会で足がつる選手がいなかった。ひとりも欠けなかった」と成果を感じた。今年の年明けには沖縄県独自の緊急事態宣言もあったが、チーム一丸で乗り越えてきた。

19年大会に続き、夏は9度目の甲子園出場。前回は1回戦で習志野(千葉)に逆転負けを喫した。比嘉監督は「やられたことはやり返す。強い気持ちで戦う準備をしていきたい」と、早くも聖地の頂点へ目を向けた。【只松憲】

◆沖縄尚学 1956年(昭31)、私立沖縄高として創立。83年に現校名。生徒数は1096人(女子550人)。野球部は57年創部で部員76人。甲子園出場は春6度、夏は9度目。99年春、沖縄勢として初めて全国制覇し、08年春に2度目のV。主なOBは東浜巨(現ソフトバンク投手)。那覇市国場747。名城政次郎校長。