奈良大付が快勝で準決勝に進出した。3回裏2死から2番河原巧遊撃手(2年)が満塁ランニング本塁打を放ち、点差を11に広げ、チームを5回コールド勝ちに導いた。

河原の一撃は中堅左へのライナー。ダイビングキャッチを狙った中堅手の左を抜け、ボールが外野フェンスまで転々とする間、50メートル6秒4の俊足を飛ばし、本塁まで駆け抜けた。「センターが飛び込んだのを見て、ホームまでかえれると思った」。本塁打はこれまで練習試合で放った1本だけ。通算2発目はランニングも、満塁も「初めて」という珍しいケースに笑みがこぼれる。

田中一訓監督(47)は「真面目で、食らいつくタイプ」という河原の一振りがコールド勝利につながった。「夏は体力勝負だし、大きいですね」と喜ぶ。新チーム結成後、3大会連続の県4強入り。昨秋、今春はいずれも智弁学園に敗れており、壁を破りたい。この日はエース二宮知也(3年)を温存できた。3年ぶり2度目の夏の甲子園まで、あと2つだ。