昌平が競り勝ち、初の決勝進出を決めた。

試合後、整列をして校歌を歌う選手たちに、昌平OBでもある黒坂洋介監督(46)は「ぐっとくるものがあった。まだ涙を流してはいけないとこらえました。(決勝で)最後に勝って、うれしい思いをしたい」と話した。

スクイズや相手の守備の隙を突いて、得点を重ねた。3回にはスクイズで1点を先制。5、6回には相手の失策で追加点を挙げた。

練習してきた成果を見せた。7回2死一、三塁、7番小林飛雄馬内野手(2年)の2球目に一塁走者がスタートを切った。相手捕手が二塁に送球し、走者がはさまれる間に三塁走者が生還した。黒坂監督は「練習からやっているパターン。練習していることが出来ると、選手の士気も上がる」と勝利を引き寄せる1点になった。

先発したエース田村廉投手(3年)は、粘って被安打12、4失点で完投した。今大会はここまで継投で勝ち上がっており、初の完投。投手陣では唯一の3年生が意地を見せ「エースとして、チームを決勝に導きたいと思っていた。自分らしい投球ができて、気持ちで押すことができた」と話した。

監督からは7回に交代を告げられたが、川田悠貴捕手(3年)が「まだ球はきています」と進言するなど野手に推されて完投した。「昌平は打撃のチームと言われていて、あとはどれだけ投手が頑張れるかだと思っていた」と話した。

昨夏の独自大会では準優勝に終わっており、悲願の甲子園初出場まであと1勝。対戦する浦和学院には、春の県大会準決勝で延長サヨナラ負けを喫しており「春、悔しい負けをして、それをバネにしてきた。いろんな思いがあるので、リベンジしたい」と力強かった。