市和歌山が競り勝ち、準々決勝にコマを進めた。

先発の米田天翼投手(2年)は4回に1点を失ったが、中盤以降、球威もテンポも向上。打線も援護した。6回2死一塁で、松村祥吾内野手(2年)が右中間を破る勝ち越しの適時三塁打。最速148キロ右腕の米田は9回10奪三振1失点完投だった。

米田は「自分はストレートが武器。しっかり押し込んでいったら抑えられると考え直しました」と振り返った。半田真一監督(41)も「(米田は)テンポがよくて、制球もいい子。このチームは松川、小園と大きな選手が抜けて、自分たちのチームで戦わなければダメだということだった。野球への向き合い方とか勉強させてもらっている。後輩に追いつけ追い越せでやってくれている」と話した。

同校は今秋ドラフトでDeNAに1位指名された小園健太投手(3年)とロッテ1位指名の松川虎生捕手(3年)を擁して、今春のセンバツで躍動した。11日のドラフトは後輩たちも同校で行方を見守った。米田は「『エースたるもの』という言葉は小園さんから受け継ぎました。ドラフトで指名されて自分も来年、あの立場で迎えたい」と気持ちを新たにした。いまは3大会連続のセンバツ出場に向けて気を引き締める。「ベスト4以内でセンバツを決めることです。優勝を目標にしている」と語気を強めた。