和歌山東が、春夏通じて初の甲子園出場へ大きく前進した。今夏甲子園で4強入りした京都国際に競り勝ち、近畿大会ベスト4へと入った。

1回2死満塁から田村拓翔投手(2年)が中前に2点打を放ち、先制点を挙げた。5回には四球で出塁した走者が内野ゴロの間に生還。無安打で効率よく追加点を奪った。

投げては田村が1回に1点を返されたが、リズムよく、打たせて取る投球でリードを保ち、5回途中で交代。走者を背負う場面で登板となった2番手のエース麻田一誠投手(2年)が、後続を断った。麻田は23日に続く連投だったが力投。最後まで主導権を渡すことなく、勝利に導いた。麻田は最後の打者を遊ゴロに打ち取り、「うれしいしか出てこなかった。去年は先輩たちが京都国際に負けて自分たちがやり返そうと試合に挑んだ。150%の力が出せたと思う」と力を出し切って初の甲子園出場の当確ランプをともした。

米原寿秀監督(46)は「本当に粘り強くやってくれました。去年の近畿大会初戦で京都国際さんに負けてましたので、何とかという思いでやりました」。リベンジに成功し、充実感が漂っていた。

主将の此上平羅内野手(2年)は「いろんな人のサポートがあったので、恩返しをしようとみんなで言っていた。(ベスト4入りに)純粋にうれしい」と笑顔だった。

◆和歌山東 1974年(昭49)に開校した県立高。野球部は2010年(平22)に軟式から硬式へ変わった。甲子園出場はなし。主なOBはソフトバンク津森宥紀ら。所在地は和歌山市森小手穂136。市川貴英校長。