第94回選抜高校野球大会で滋賀県勢として史上初の春4強に進出した近江が大会休養日の29日、兵庫・西宮市内で練習した。

30日の準決勝は3試合4本塁打と強打で鳴らす浦和学院(埼玉)と対戦。エース山田陽翔投手(3年)は3試合連続完投でチームの躍進を支え、ここまで379球の熱投ぶりだ。多賀章仁監督(62)は「(状態は)大丈夫。準決勝も山田でと思っている。浦和学院は強力打線だが、投手陣が懐を攻めて内角を意識させられればいい。夏もベスト4に入って、春もベスト4に入った。選手層は上がってきていると思う。選手を信じてやっていきたい」と語った。山田の4連投は確実だ。

山田はこの日、キャッチボールなどで感触を確かめた。「1発のある打者がクリーンアップにそろっている。自分が抑えて、チームに流れを持ってきたい」。近江は1月のセンバツ選考で落選したが、大会直前に京都国際が新型コロナウイルス集団感染で出場を辞退したため、急きょ代替校として出場。代替出場校の甲子園4強は春夏通じて史上初で思わぬダークホースになっている。今大会で4強に入り、京都国際のエース森下瑠大投手(3年)から「おめでとう」とメールで祝福された。剛腕山田を中心に守り勝つ野球で、初の日本一を狙う。【酒井俊作】