苫小牧中央のプロ注目右腕、斉藤優汰(3年)が苫小牧西・白老東・富川・えりも・室蘭工戦の7回から登板し、自己最速の150キロをマークするなど打者3人を連続三振に切って取る快投で、初戦突破に貢献した。11球すべて直球で勝負し10球が140キロ超え。空振り1、見逃し2の3三振に「直球だけでとテーマを持って臨んだ。コースをついて丁寧に投げることができた」と振り返った。

ついに大台に乗った。先頭打者への初球を144キロで入ると、次打者の3球目に、それまでの最速148キロをマークしギアチェンジ。最後の打者への2球目に投じたストレートが150キロと球場に表示されると、スタンドから「おお~」とどよめきが起こった。斉藤は「高校に入ったときから150キロを目指してきた。まずはうれしい。高校のうちに153キロぐらいまで伸ばせたら」とさらなる高みを見据えた。

昨秋の全道大会は初戦で滝川西に敗退。制球を乱し7回6安打5四死球5失点と、チームに流れを呼び込むことができなかった。冬場は右肩が下がる癖も含め、徹底したフォーム改善を図り春に臨んだ。筋力トレで体重を昨秋から7キロ増量の91キロに上げ、下半身も安定感が増した。楽天松井のフォームなどを参考に体重移動の方法も研究し「低めに140キロを超える速さで投げられたのは収穫」と手応えを口にした。

スタンドでは巨人、オリックスなどNPB3球団のスカウトが視察。巨人柏田スカウトは「スピードが出る。上背もあり、未完成なところもあるが、伸びしろがある。冬の間、ちゃんと練習してきた証拠。夏までに楽しみが多い」と、成長を感じ取っていた。

左腕の日本ハム根本を育てた渡辺宏禎監督(53)は「(技巧派の)根本とはタイプが違う。しっかり力で押せる投手になってくれたら」と期待。身長も1センチ伸び189センチと、190センチにリーチをかけた。中2秋に捕手から投手転向した伸び盛りが、まずは春の頂点を見据える。【永野高輔】

◆斉藤優汰(さいとう・ゆうた)2004年(平16)5月27日、岩見沢市生まれ。岩見沢日の出小4年時に岩見沢日の出タイガースで野球を始める。中1まで捕手も、岩見沢明成中2年の秋から投手転向。苫小牧中央では1年秋から背番号18でベンチ入り。昨秋は背番号1を背負い全道大会出場も、初戦で滝川西に0-5敗戦。好きな言葉は「習慣は第2の天性なり」。趣味は小説を読むこと。家族は母と弟。189センチ、91キロ。右投げ左打ち。