専大北上(岩手)が秋田(秋田2位)を6-5で下し、2年連続で決勝進出を果たした。「6番一塁」で先発出場した高橋飛純(ひず)捕手が、逆転適時打を含む2安打2打点の活躍。4-4の5回2死二、三塁から左翼線を破る二塁打で試合を決めた。決勝戦は明日13日、能代(秋田1位)と激突。昨春は涙をのんだ「最終決戦」で雪辱を誓い、春の東北チャンピオンの座をつかみにいく。

「逆転の弾丸ライナー」が切り裂いていく。4-4の5回2死二、三塁。6番高橋飛が内角カーブを懐に呼び寄せて、コンパクトに振り抜いた鋭い打球は左翼線を破った。2人の走者が生還。勝ち越しの2点適時二塁打を放ち、二塁ベース上で両こぶしを高らかに突き上げた。「追い込まれていたので直球と変化球の両方を張って、引きつけて打つことができた」と会心の一振りだった。

打席の中では1球1球、狙い球を絞る。「常に狙い球を考えて、打席に立っている」と高橋飛は言う。初回に2点を先制した直後の2死一塁の場面。カウント2-2から直球を捉えて、中前打とした。「4球目のカーブが大きく外れたので、真っすぐがくると思っていた」。この試合は一塁で先発出場も背番号は「2」。捕手らしく配球の読みは抜群だった。

1点差の接戦勝負をものにしたが、満足はできない。守備では計3失策。記録に残らないミスも目立った。2点リードの7回には、2死から2連続エラーで1点を失った。菅野裕二監督(47)は「気持ちの弱さが出てしまい、消極的なミスが多かった」と反省点を口にし、「ミスをカバーしながら勝てた試合だった。次につながったことが大きいです」と振り返った。

雪辱の舞台は整った。春の東北王者を懸けて、能代との決勝戦に臨む。昨春は仙台育英(宮城)に延長14回タイブレークの末に敗れ、あと1歩のところで優勝旗を逃した。高橋飛は「絶対に勝ちたい」と気合十分。10年以来12年ぶりとなる覇権奪還に向かう。【佐藤究】