昨夏の優勝校、日本文理の長距離砲・玉木聖大右翼手(3年)が夏に復活をかける。7番に入った春季県大会は終盤戦で当たりが止まり、準決勝、決勝ではスタメンを外れた。夏に向けて修正し、昨秋の県大会以来の「5番」復帰を目指す。昨夏の甲子園では左翼への2点本塁打を含む4打数3安打2打点の実績がある。日本文理の3大会連続12度目の甲子園出場へキーマンになる。

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玉木がバットの芯でボールをとらえる。そのたびに打球は快音を残して外野の深くまで飛ぶ。187センチ、100キロのチーム一の巨漢。「パワーは自分の武器」と打撃練習では常に力強さを発揮する。

「夏は打点を狙う。それが5番の役割」とクリーンアップの一角をアピール。今春県大会は7番だった。5番に入れば昨秋の県大会決勝の北越戦以来。3番田中晴也投手(3年)、4番高橋史佳左翼手(2年)の後ろでたたみ掛ける役割が待つ。鈴木崇監督(41)も「3、4番の後で玉木が壁になれば打線に厚みが増す」と5番起用を示唆する。

サイクル安打を記録した今春の3回戦・新津南戦では第1打席に左中間へ3ランを放った。だが、その後、当たりが止まった。「心の奥底で飛ばすことばかり考えていたのかも」と玉木。4回戦の関根学園戦、準々決勝の新潟工戦の2試合で計5打数無安打で4三振。準決勝の新潟明訓戦は出番はなく、決勝の東京学館新潟戦は代打起用で1打席無安打と不発だった。

「ヒットの延長が本塁打。まずしっかりとバットに当てる」とパワーの生かし方を考えた。リラックスした状態で打てるようにバットを少し揺らして構えるなどタイミングの取り方を工夫。スイングもコンパクトにし、各校エースの球筋をイメージしながら自主トレで30分から1時間ほど振り込んだ。

昨夏甲子園、敦賀気比(福井)に6-8で敗れた初戦2回戦で、玉木は4回に追い上げムードをつくる左翼への2ランを放った。いいイメージは残ったが「あの1本を思い出すのは部活を引退してから」。今は昨夏以上の場面を甲子園で作ることが目標。「チームの勝利に貢献する」と力強く言った。【斎藤慎一郎】

◆玉木聖大(たまき・しょうだい)2004年(平16)8月20日生まれ、新発田市出身。藤塚小5年から野球を始める。紫雲寺中では一塁手と投手。3年時に全国中学都道府県対抗に県選抜として出場。日本文理では2年春からベンチ入り。好きなプロ野球選手は巨人中田翔内野手。187センチ、100キロ。右投げ右打ち。