新潟明訓が上越に7-0の8回コールドで勝った。6番打者の田辺大誠左翼手(3年)が長打を連発した。放った3安打すべてが長打の猛爆ぶり。三塁打2本、二塁打1本の3打数3安打で2打点。1四球も選び、出塁率10割で4得点もマークした。

帝京長岡は10-1で佐渡に7回コールド勝ち。先発のエース茨木秀俊投手(3年)と、2番手の弟佑太投手(1年)の兄弟リレーで被安打4、1失点(自責0)に抑えた。

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左中間を襲った適時三塁打が、田辺を一気に乗せる“号砲”になった。1-0の4回1死二塁。カウント3ボール、1ストライクからの外角スライダーを逆らわずにバットに乗せた。流れをグッと引き寄せる貴重な追加点だ。島田修監督(57)は「1点だけでは、まだまだ分からない。重い雰囲気を払拭(ふっしょく)してくれた」と話したが、田辺自身の心もこの一打で軽くなった。「緊張がほぐれた。無駄な力みもなくなった」。

3-0となった6回1死一、二塁では左翼手の頭上を越える適時二塁打。8回1死には右中間フェンス直撃の三塁打だ。3打数3安打、2打点。初戦2回戦の「敬和学園・豊栄・中条」戦でも左中間への二塁打を放って2打数1安打で1打点。この夏の安打はすべて長打で6番に入る左打者の存在感は高まる。ところが田辺は初戦の結果に満足していなかった。「体が開く癖がでた」とフォームを修正し、3回戦に臨んでいた。上越のエースは好投手の左腕・近藤佑大投手(3年)だったが、島田監督は「左打者ながら左腕を気にしない。本当にいい打球を飛ばす」と言った。

昨秋は4番打者を担っていたが、島田監督の「一番、点の取れる打順」という方針で今夏は6番に据えられた。そんな指揮官の思惑通りに田辺が試合のキーマンになった。走者がいれば打点を挙げ、走者なしの打席は出塁して好機をつくった。2回は先頭で四球を選び、先制のホームイン。8回はコールド勝ちを決める7点目の本塁を踏んだ。4打席全出塁し、4得点。「僕は打撃で試合に出してもらっている」と4回戦以降も豪打で勝利に貢献する決意だった。【涌井幹雄】