大商大堺はエース武田桜雅投手(3年)が投打で活躍し、接戦を制した。

カーブやカットボールを駆使して8回まで3失点。9回1死三塁で、右前に決勝タイムリーを放った。その裏も変化球の初球で打ち損じを誘い、3者凡退。9回完投で白星をたぐり寄せた。

「自分の投球を最初からできなかった。(6回に)逆転してもらった。そこから気持ちを作り直して、切り替えて投げられました」

いろんな球種を用いる技巧派サウスポーだ。「7割くらい」と話すように、変化球を多投し、相手のバットの芯を外した。静純也監督(46)も「ムキにならずに、平常心で淡々と投げられる。経験も豊富」と信頼を寄せる。複数投手を準備するが、勝負どころは背番号1の好左腕に頼る。

「打倒大阪桐蔭」がチームの旗印だ。昨年9月、秋季大阪大会で完敗。センバツの道を断たれた。武田は言う。「秋も自分が打たれて負けています。リベンジ目指して勝ちにいきたい」と意気込んだ。この日は6回に南弘斗内野手(3年)が左翼に豪快な逆転2ランを放った。打ってよし、投げてよしのエースを生命線に、競り合いを制した。指揮官も「今日の初戦を取れたのはチーム力も上がる」と気勢を上げた。春夏通じて甲子園初出場に向け、勢いをつけた。【酒井俊作】