日本航空石川が接戦を制し、4強に進出した。今秋ドラフト候補で高校通算53本塁打を誇る内藤鵬内野手(3年)の激走で決勝点をつかんだ。同点の7回1死二塁。暴投を見届けると、体重100キロの巨漢が三塁ベースを蹴って、一気に本塁に達した。「普段、練習で走塁練習を真剣にやっている。練習が大事な場面で出た」と笑顔を見せた。中村隆監督(38)は「後ろが広いファウルグラウンドです。まさか行くと思わなかった。いい判断だった」とたたえた。

内藤は打撃が魅力のスラッガーだ。今大会も10日の津幡戦で左中間席に本塁打を放っている。「飛距離が売りです。試合のなかではチャンスでの1本を、見ていただきたい」と胸を張った。この日は引っ張った大ファウルを披露したが、2打数無安打1四球だった。三塁守備では6回に柔らかいハンドリングで三-二-一の併殺打を完成させた。複数球団のスカウトが見守る前で持ち味を見せた。