父ではなく、自分のために-。八戸学院光星が、県勢夏50勝の節目の勝利で、出場10大会連続の初戦突破を決めた。エース右腕・洗平(あらいだい)歩が6回から2番手で登板。2イニング目の7回は1死満塁のピンチを無失点で切り抜け、リードを守って好救援した。「初めての甲子園で高校としては3年ぶりで不安があったが、初戦を突破できて率直にうれしい」と声を弾ませた。

特別な思いで聖地の土を踏んだ。「お父さんが青森県大会で3年連続で負けた事実があって」。元中日の父竜也さん(43)は、同校OB(当時光星学院)だが、3年連続地方大会の決勝に先発登板して敗れ、目前で甲子園出場はかなわなかった。今大会前には「(父が)『自分のためにやってくれ』と言ってくれて、自分のために甲子園に臨もう」と意気込み、力強く投げ込んだ。

部員は出場49校最多の174人。大所帯の実力校でエースナンバーを背負う。この日、スタンドで応援した竜也さんは「1番をつけようがつけまいが、ベンチに入っている以上はしっかりやってほしい」と期待を寄せた。活躍を願う父に、何度もユニホーム姿を見せる夏にする。【相沢孔志】

◆初戦10連勝 八戸学院光星が夏の甲子園で出場10大会連続初戦突破。夏の初戦10連勝以上は中京大中京17連勝、明徳義塾16連勝、PL学園11連勝に次ぎ、智弁学園10連勝に並ぶ4位。継続中の学校では静岡商、今大会出場の大阪桐蔭の各9連勝を上回り最長。