福島大会は3位決定戦で田村が平工に6-5で逆転サヨナラ。9回、渡辺颯人内野手(2年)が3点適時二塁打を放ち、東北大会出場を決めた。

季節が変わっても快進撃は止まらない。今夏、53年ぶり県4強の田村が、18年ぶりに秋の東北大会出場を決めた。2-5で迎えた9回裏。1点を返し、なお無死一、二塁で1番古内侑悟内野手(1年)。大友研也監督は古内侑、2番渡辺颯と逆転サヨナラのプランを話し合った。「古内侑が『追い込まれるまではセーフティーバントをやります』、渡辺颯が『打ってかえします』と言った。決まるだろうなと思いました」。

有言実行だった。古内侑がセーフティーバントを見事に決め、無死満塁。渡辺颯は「自分が決めよう」と打席に入った。2球目、真ん中高め直球を振り抜き、打球は右中間を破る走者一掃のサヨナラ適時打。渡辺颯は「うれしかった。気持ちよかったです」と渾身(こんしん)の一打を振り返った。

サヨナラ適時打は自身2度目。1度目は今秋の県中支部予選、帝京安積戦での県大会出場を決めた一打。この日は東北切符をつかむ一打と勝負強さが際立った。渡辺颯は「緊張はするけど『大丈夫だろう』と思っています。自分がダメだったとしても後ろがかえしてくれる」。勝負強さの裏には仲間への信頼があった。

支え合ってつかんだ県3位。快進撃を続ける田村ナインが東北大会でさらなる快進撃を目指す。【濱本神威】