“ハマの番長”ことDeNA三浦大輔監督(49)の母校・高田商(奈良)の宮武大輝(たいき)投手(3年)が、一風変わった味付けの投球でチームを60年ぶりの夏の甲子園へ導く。

双子の弟・晃希(こうき)内野手(3年)とともにチームを支える左腕は、仲井颯太投手(2年)との2枚看板としてマウンドを任される見込み。球速は平均120キロを切るというが、スピード不足は試行錯誤を繰り返す配球術でカバーする考えだ。

宮武の特技は、中学時に目覚めたという料理。コロナ禍で「お母さんが仕事で、昼ご飯を自分で作らなあかんとなって」と、必要に迫られて始めたことが、楽しみに変わったという。「こう味付けしたらこんな感じになるんか、みたいにちょっと遊んでいたら、料理が好きになりました」。

味付けでの創意工夫は、野球にも生かされるようになった。

「変化球は基本低めやと思うんですけど、『逆に1回浮かしてみよう』とアホみたいなこと言ったら、それが意外とはまったり。新しい発見がおもしろいなと思いました」。今では「誰も考えてないような配球を考えるのが楽しみ」と話すまでになっている。

「チャーハンの素を入れる量を間違えて、焦がしていた」という初期から、さまざまな工夫をこなせるように成長した宮武家の食の番人は、奈良大会でも相手打者を丁寧に料理していくつもりだ。奈良大会は7月8日に開幕し、高田商は同9日に奈良県大付と2回戦を戦う。

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