<高校野球栃木大会:作新学院13-9青藍泰斗>◇23日◇準決勝◇栃木県総合運動公園野球場

高校野球のドラマは、勝った者にだけ生まれているわけではない。日刊スポーツでは今夏、随時連載「君がらんまん」で、勝者だけでなく敗者にもスポットを当てた物語をお届けする。

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青藍泰斗(栃木)を率いる元阪神の石川俊介監督(37)は試合後、泣きじゃくる選手に「申し訳ない」と声をかけ号泣した。「自信をもって送り出した」というエースの長嶋樹哉投手(3年)が2回途中で7失点するなど「作新の力がすごかった」と10点のリードを許した。打線は関屋希夢内野手(3年)と野原大馳捕手(3年)の適時打など3年生が意地を見せ、4回までに8点を返すも及ばず。「ウチが先に点を取りたかった…逆の形になってしまった。投手交代も含めて監督に勇気がなかった」と試合を振り返った。

21年4月から母校の監督を務める石川監督にとって、3年生の選手は入学時から指導してきた。彼らへの思いを聞かれるとしばらく声を詰まらせ「この子らで甲子園に行きたかった。3年生は学校の先生方にも褒められる子たちで…どこの学校にも負けない学校生活を送ってきた。全部私の責任。申し訳ないの一言」。185センチの大きな体をより一層大きく震わせた。現役時代はプロ通算2勝。高校野球を終えた愛弟子たちの思いも胸に、監督として選手時代に慣れ親しんだ甲子園に必ず帰るつもりだ。【黒須亮】