ノーシードの東海大静岡翔洋が、2季連続甲子園を狙った第3シードの常葉大菊川を5-3で破り、2年ぶりに4強入りした。

先発の松永郁己投手(3年)が5安打3失点完投。リードを守った。第5シードの藤枝明誠は、第1シードの加藤学園に5-2で逆転勝ち。6年ぶりに準々決勝を突破した。浜松開誠館、日大三島も勝利し、準決勝は27日に草薙球場で行われる。

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東海大静岡翔洋のダブルエースの一角を担う松永の力投が、4強への扉を開いた。今春センバツ出場の常葉大菊川打線を相手に、5安打3失点で今夏初完投。129球の熱投で先発起用に応えた背番号「10」は「うれしいの一言。それだけです」と笑みを浮かべ、駆け寄る仲間と抱き合った。

回を追うごとに安定感は増した。2回に3失点も「コーナーを狙った球が決まらず、ストライクを取りにいった球を狙われた」と冷静に分析し、緩急を使った組み立てに変更。100キロ前後のカーブを駆使して、3回以降に許した安打は単打2本だけだった。8回無死一、二塁のピンチも併殺、右飛で切り抜ける。7回に相手の悪送球で転がり込んだ貴重な2点のリードを最後まで守り抜いた。

04年以来19年ぶりとなる夏の甲子園まで、あと2勝。中1日の27日に迎える準決勝では、連覇を狙う第2シードの日大三島と対戦する。6月に負った右足首捻挫の影響で大会前の調整では不安もあった松永だが「大会を通して状態は上がっている。自分は、次も投げる準備をするだけです」と頼もしかった。【前田和哉】