隣県のライバルに雪辱はさせない。仙台育英(宮城)が聖光学院(福島)との「昨夏準決勝カード」を8-2で制し、2年連続16強入りを決めた。背番号「10」の最速153キロ右腕・湯田統真投手(3年)が2番手で救援登板し、4回1/3を4安打無失点と快投した。福島・泉崎村出身の昨夏優勝メンバーは、2年連続で同一カード勝利投手に。敗れた東北勢の思いを背負いながら、与えられた場面で自分の投球を貫く。3回戦は16日、高知中央(高知)-履正社(大阪)の勝者と対戦する。
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両者の意地がぶつかる東北勢対決で、湯田が地元の強豪に立ちふさがった。2点リードの4回1死、先発田中が杉山に右越え本塁打を被弾。直後に二塁打を浴び、二ゴロで2死三塁とされ、湯田が三塁側ブルペンからマウンドに向かった。今大会初の救援登板がピンチでも自信を持った。
「2アウトを取ってくれていたので、あとは自分が1人しっかり(アウトを)取るだけ。特に気負うことなく、いつもの自分のピッチングをしよう」
1回戦の共栄学園(東東京)戦で2安打2打点の松尾を130キロ台のスライダーで追い込み、カウント1-2から5球目を外角スライダーで二ゴロに封じ、同点を許さなかった。
1点リードの7回は2者連続で凡退させると、8番緑川には2球連続で150キロを計測。球場からどよめきが起こった。「3人で切って攻撃につなげたい回だった。自分が流れを作る意識で出力を上げて投げた」と中飛で凡退。同裏の3得点に弾みをつけた。
昨夏準決勝は12点リードの3回から救援登板し、4回3失点で決勝進出に貢献。今夏は2回戦で対戦が実現したことに「残念だった」と話したが、「地元だからというようなことはあまり考えずに」。スタメン5人を含む計7人が2年連続で東北対決に臨んだ一戦。湯田は相手打者の反応を見ながら丁寧に投げ込み、成長した姿でスコアボードに「0」を並べ、2年連続で勝利投手となった。
エース高橋、湯田の練習の取り組みを、須江航監督(40)は「僕が教えている生徒の中でも過去イチ」と力説する。湯田の投球は「プロ野球選手だって、ここ一番で調子のピークを持ってこられないので、そう考えたら十分です。ナイスピッチングです。頼もしいです」と高く評価した。東北勢の思いを託された優勝から1年。頼もしい3年生が、今年も熱い夏へと導く。【相沢孔志】
◆湯田統真(ゆだ・とうま)2005年(平17)12月31日生まれ、福島県泉崎村出身。小4年から白河リトルで野球を始める。泉崎中では軟式野球部。2年夏は背番号「18」で東北勢初の甲子園優勝を経験し、3年春は8強。181センチ、86キロ。右投げ左打ち。50メートル走は6秒5。遠投は100メートル。
◆昨夏の仙台育英-聖光学院 準決勝で対戦。仙台育英が19安打を放ち、18-4で大勝した。2回に秋元、高橋、尾形の3連続適時打など打者14人で11点を挙げ、3回以降も得点を重ねた。
○…3番湯浅が3安打5打点と大暴れした。同点の2回2死二、三塁、3球目の122キロスライダーを中前に落とすポテンヒット(記録は二塁打)で2点を勝ち越し。さらに7、8回にも適時打を決め、粘る聖光学院を突き放した。「チャンスで回ってきてかえすのが自分の役割。その役割を果たせた」。宮城大会で打率5割2分9厘のヒットメーカーが本領を発揮した。

