3連覇を狙う大阪桐蔭(大阪1位)が開幕試合で快勝した。エース平嶋桂知(かいち)投手(2年)が6回3安打無失点。高田商(奈良3位)の乱れに乗じて得点を重ねた。報徳学園(兵庫1位)は主将の間木歩投手(2年)の完封で8強入り。両校は28日の準々決勝で激突する。大会は来春のセンバツ出場校選考の重要な資料で、一般選考枠は6。勝者が事実上、出場当確となる。

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平嶋は重要な局面をかぎ取っていた。1点先制した直後の2回2死三塁。落ちるカットボールを低く決めて、空振り三振で切り抜けた。ここで大阪桐蔭は試合の主導権を握った。6回無失点。試合の要所を知った投球だった。

「近畿大会はセンバツがかかった大事な試合。その最初だったので自分が勢いをつければチームが乗っていけると思って、強い球、気持ちを入れた投球をしたいと思っていました」と満足そうに話した。

186センチの長身と150キロ近い剛速球にはプロも注目。ただ、成長の証しは球速以外の部分にある。西谷浩一監督(54)は「落ち着いて相手を見て投げられるようになってきた。経験が実ってきていますね」と成長に目を細めた。

苦い経験が平嶋を成長させた。1年前の近畿大会。準決勝の龍谷大平安(京都)戦で救援登板。公式戦デビューだったが、1死も取れずに交代した。南陽人、境亮陽ら同級生が好投する中で1人、かやの外に置かれた。「緊張もあって、思うように投げられなかった。実力が足りませんでした。あの試合があったから冬の期間も頑張れたし、絶対に負けないという気持ちになれました。区切りのような試合です」。心身とも充実したこの秋は、豊富な投手陣の中で頭1つ抜けた存在感を示している。

チームの最初の目標は、3年連続の明治神宮大会制覇。常勝軍団が好スタートを切った。【柏原誠】

 

【近畿大会】組み合わせ・日程・結果