新生・浜松開誠館が、頂点を目指して出陣する。春季高校野球静岡県大会予選の初戦(2回戦)を27日に迎え、浜松南と対戦。加藤蔵乃介主将(2年)は「最初は思うようにいかない部分もあると思うけど、大会を通して成長して優勝したい」と意気込んだ。

今月1日、昨夏に同校を初の甲子園に導いた佐野心監督(57)が退任。今後は総監督兼副部長としてチームを支えていくことが決まった。新たに浜野洋副部長(49)が監督に就任し、21年まで非常勤コーチを務めた日米通算2106安打の中村紀洋氏(50)も1月に復帰。新指揮官は「『打の開誠館』と言われ、ノリさんも戻って来てくれた。積極的に(打って)いきたい」。スタイルを引き継ぎ、打ち勝つ野球で挑む。

冬は徹底して肉体を強化。今大会から使用する低反発バットに対応すべく、パワーアップを図った。練習試合では今春センバツ出場の京都外大西に9-0。昨夏覇者の慶応(神奈川)にも7-5で競り勝つなど、成果は現れつつある。

昨秋は、東海大会初戦で敗れた。敗戦を機にチームは「指摘しあう声も出始め、主体性が出てきた」(浜野監督)と変化を見せる。加藤は「バットが変わってもしっかり振って、打ち勝つ。春で自信をつけ、もっと自分たちで高め合えるチームにしたい」と言った。連覇を狙う夏にもつながる勝利を積み重ねる。【前田和哉】