初の夏2勝を目指した掛川西(静岡)は岡山学芸館に惜敗し、2回戦で甲子園を去った。
エース右腕・高橋郁真投手(3年)は、たった1球を悔やんだ。1点ビハインドの7回裏2死三塁で、打席には同じく好投を続けていた岡山学芸館の9番丹羽知則投手(3年)。「自分の武器はスライダーで、インコースに投げて引っかけさせようと」と、カウント1ボールから投じたウイニングショットを左前にしぶとく運ばれた。「後半勝負というところで、追加点を取られてはダメな場面だった」と痛恨の1失点に、下を向いた。
それでも魂のこもった101球だった。1回戦日本航空戦は9安打4失点で5回降板だった。「甲子園の雰囲気に慣れずに、力が入ってしまった」。2度目のマウンドでは落ち着きを取り戻し、7回無四球で2失点と奮闘した。勝利には結びつかなかったが、「甲子園で投げることは1度きり。楽しんで投げることができました」とすがすがしい表情を見せた。
8月15日は、終戦から79年がたった終戦記念日。正午になった4回裏2死で試合は一時中断し、黙とうが行われた。ナインはその場で目を閉じた中、高橋はバックスクリーンの方を向いて目を閉じた。「自分には後ろを守ってくれる人たちがいる。黙とうと一緒に、仲間への感謝を込めて、目を閉じました」。バックは無失策で応えた。チーム一丸で、熱い夏を戦い抜いた。

