創部126年目で小倉小笠原藩の藩校を源流とする公立校、育徳館が九州大会初勝利で来春センバツに王手だ。9回に主将の4番隅田勇輝捕手(2年)がサヨナラ打を放ち、春夏通算14度の甲子園出場を誇る日南学園を撃破。投げてはエース右腕、島汰唯也投手(2年)が9回を8安打1失点と好投した。エナジックスポーツ、柳ケ浦、壱岐も初戦を突破。今夏甲子園4強の神村学園は初戦敗退で4季連続甲子園出場が絶望的となった。
◇ ◇ ◇
福岡準優勝の実力は本物だった。1-1で迎えた9回1死一、二塁だった。主将の4番隅田が決めた。カット系の変化球を打って中前打。一塁に向かう途中、右手でガッツポーズも飛び出す値千金打となった。
「自分が決めるというよりもつないでつないでどうにかして1点を取って勝とうと思っていました」という必死さで、ベンチを飛び出したナインらとジャンプして抱き合い、優勝したかのような歓喜の輪で喜んだ。8回に先制しながら9回同点ソロで追いつかれたが、集中力は私学強豪を上回っていた。
エース島が勝利を呼び込んだ。強打相手に「今日は結構調子は良かった。あまり力をいれずに打たせて取る、守備が守ってくれるので打たせていこうと思いました」と立ち向かい、有効だったカーブで翻弄(ほんろう)。「最高ですね。この舞台で勝つことができて」と笑みを見せた。
春夏通じて初の甲子園となるセンバツに王手だ。井生広大監督(33)は「スキルは多分(九州大会出場の)16校の中で一番下だと思っているので、成長率とか後はもう泥臭くいくというか、がむしゃらにいくことだけは負けるなと伝えています」。謙虚さと、ひたむきさで、九州大会でも旋風を起こす。【菊川光一】

