帝京長岡が9-0の7回コールドで東京学館新潟に快勝し、準々決勝に進出した。注目の左腕エース工藤壱朗(1年)が7回を1安打無失点、10奪三振の好投。持ち味のガッツポーズを封印して冷静な投球を披露した。長岡大手は新潟工に6-0。秋は8年ぶりの8強入りを果たした。エース蒲生敦大(2年)が散発3安打で公式戦初完封をマークした。
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試合の締め方に、工藤は少しこだわった。7回表2死一塁。捕手の松本覇(はうる、1年)のサインに2度首を振って投げたのは低めの直球。「最後は真っすぐで仕留めたかった」。この試合10個目の三振を見逃しで取ると、淡々とマウンドをおりた。
公式戦では自身初の2桁奪三振。被安打は5回の中前打1本で、東京学館新潟打線に二塁を踏ませず0封した。「それよりも余計な四死球を4つ出してしまった」と厳しい自己採点。もっとも、芝草宇宙監督(56)は「今日は良かった。ストライクゾーンで勝負していた」と高評価だ。
「気持ちを表に出さないように抑えていた」と言う。打者を打ち取るごとにほえ、回を終えるとガッツポーズ。9回8安打8奪三振1失点の好内容だった、デビュー戦の春季県大会・関根学園戦では感情をむき出しにして投げた。
夏を終えて背番号「1」をつけたこの秋、意識して冷静さを保つことがテーマ。チェンジアップとスライダーを決め球にしながら要所で直球勝負。積極的にストライクゾーンを攻めながらも「気持ちを内に秘めた」と、こぶしを握るそぶりは見せなかった。
制御しつつも熱い思いは土台にある。2回戦の関根学園戦は2番手で登板し、2回3安打2失点。3連続で四死球を出すなど乱れた。3回戦の2日前の17日、「もう1回チャンスをください」と芝草監督に直訴して先発登板を迎えた。「思い切って投げた結果」と勝利を喜ぶ。もちろん、これがベストではない。「北信越大会優勝を見据えている。県大会はしっかり勝ち上がらないと」と気を引き締めた。【斎藤慎一郎】
○…長岡大手の蒲生は3安打での公式戦初完封に「過去イチの出来」と満足そうに笑った。6四死球と一見制球難だが「四死球が多いのは想定内。しょうがない」と萎縮せずに投げた。右上手から豪快に投げ下ろすフォームは今夏の甲子園出場校、中越の本格派右腕、石山愛輝投手(3年)を参考にした。夏休みは動画を繰り返し見てフォーム改造に取り組んだ。169センチと小柄だが「体を大きく使えば球速も出る」。8強入りに新フォームの手応えを感じ取った。

