初戦の対戦相手が決定し、21世紀枠出場の長崎西・桑原直太郎主将(3年)が表情を引き締めた。
「関西の強豪校で、応援もすごいイメージがある。でも、どこが相手でも自分たちがやるべきことは練習してきた。自分たちの持ち味をチーム全員で理解し、存分に発揮できたらと思います」
相手は昨秋の近畿大会4強の滋賀学園だが、動じることはない。オフは課題の打撃力を磨き、守備と走塁の基礎的な部分も見直した。「すべてにおいて一段階レベルアップできたと思う。堅実な野球で勝利に結びつけられたら」と接戦勝負を制す青写真を描いた。
同校は県内トップの公立進学校。東大など難関大の合格実績があり、文武両道を貫く。平日の練習時間は約1時間に限られることもあるが、昨秋は県大会で準優勝。続く九州大会では8強入りし、21世紀枠で75年ぶり2度目のセンバツ切符をつかんだ。
甲子園出場は5度目だ。前回出場は1981年(昭56)年夏までさかのぼり、初戦で名古屋電気(現愛工大名電)の工藤公康氏(元ソフトバンク監督)にノーヒットノーランを喫した。桑原主将は「高校に入ってから聞いて知っています」と明かし「みんな『自分がヒットを打ってやる』っていう気持ちで練習してます。まずはHランプをつけられるように」。苦い過去を晴らすべく、聖地で快音を響かせるつもりだ。
後押しもあった。今年2月に工藤氏から金属バット2本がプレゼントされた。「使いやすいバットだった。大会で使う選手もいると思います」。さらに「長崎西高、頑張れ」と書かれた工藤氏のサイン入り色紙も届き、春本番を前にナインの士気は高まった。
「期待されていると思う。力に変えて、校歌斉唱をできるように」。1951年(昭26)年春に聖地2勝で4強入りも、当時は校歌が制定されていなかった。初戦を突破し、甲子園の地で初めて凱歌(がいか)をあげるつもりだ。

