<センバツ高校野球:英明6-3東北>◇26日◇2回戦◇甲子園
日刊スポーツはセンバツ期間中、負けチームにもスポットを当て、「胸張ってイイじゃん」と題して球児たちの奮闘に迫ります。
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うれしさ、悔しさ、仲間への思い。全てが涙となってあふれ出した。4点を追いかける8回1死走者なしで1番の松本が打席に立った。「自分がどうにか塁に出て、みんなを勢いづけようと思いました」。劣勢のチームに気合を入れ直す1発を左翼スタンドにたたき込んだ。右手でつくったガッツポーズを高く掲げ、ダイヤモンドを1周した。
負けん気が強い。「負けたくない。この仲間だったら絶対に勝てる」。昨夏、新チームとなり、最強世代を目指し主将に立候補。甲子園から遠ざかりつつある古豪を「自分が変えたい」と強い信念を持っていた。だが、理想と現実は違った。練習試合で自慢の打撃がうまくいかず、チームをまとめていけるのか不安が募った。苦しかった。それでも、仲間は温かい言葉をかけてくれた。自分が打たずとも勝利へ導いてくれた。まるで「1人じゃない」と言われているようだった。全員の力でセンバツ出場を勝ち取った。
試合後、チームメートの話題になり「つらい時期もありましたけど、仲間が救ってくれて。やってきて本当によかったです」と涙が止まらなくなった。思い出だけにするつもりはない。「ここ(甲子園)で勝てるチームをつくって夏、必ず戻ってきます」。涙を拭って、甲子園をあとにした。【木村有優】

