兵庫県西宮市の甲子園球場で開催中の第94回全国高校野球選手権大会に出場している作新学院高(栃木)硬式野球部の2年生部員(17)が、強盗容疑などで17日に逮捕されたことが18日、宇都宮中央署と同校への取材で分かった。

 同大会の大会本部は、部員の個人的な非行で大会に出場しているチームの活動とは関係がないことを考慮し、3回戦の仙台育英高戦(19日)の出場を認めた。大会中に出場校で不祥事が起きるのは異例。

 逮捕容疑は10日午前6時50分ごろ、宇都宮市内の雑木林で少女(16)のひざに軽傷を負わせた上、現金数千円を奪うなどした疑い。宇都宮中央署によると、少女の体に触ったことは認めているが「現金は奪っていない」と容疑を否認している。

 作新学院高の長谷川勝比古校長によると、この部員は甲子園の登録メンバーではなく、授業や練習態度に問題はなかった。9日の1回戦を甲子園で応援し、10日朝に帰ってきたという。校長は「非常に重大な事件で強く責任を感じている」と話した。

 作新学院高は春9度、夏8度甲子園に出場。1962年には春夏連覇を果たした。ロンドン五輪競泳男子400メートル個人メドレー銅メダルの萩野公介選手は同校の3年生。

 日本高野連は今後、同高からの正式な報告を受け、審議委員会で処分を検討する。