<全国高校野球選手権:済々黌3-1鳴門>◇13日◇2回戦

 野球漫画「ドカベン」に登場した珍プレーが甲子園で“再現”され、済々黌(せいせいこう=熊本)が初戦を突破した。2-1で迎えた7回1死一、三塁。遊撃を襲ったライナーが好捕された後、一塁に転送され、併殺となったが、三塁走者の中村謙太二塁手(3年)は三塁に戻らず一気に本塁へ。3アウトよりも早くホームを踏み、生還が認められた。守備側の鳴門(徳島)のアピールがあれば入らなかった1点だが、済々黌はそれを承知で仕掛け、奪い取った。

 ◆野球規則

 7・10で「次の場合、アピールがあれば走者はアウトとなる」とし、その(a)で「飛球が捕らえられた後、走者が再度の触塁(リタッチ)を果たす前に、身体あるいはその塁に触球された場合」と明記している。また、同項の問答集として次のように書かれている。

 【問】1死、走者一、二塁、打者が右翼へ大飛球を打ったとき、安打になると思った2走者は、フライが飛んでいる間進塁し続け、右翼手がこれを捕らえたにもかかわらず、二塁走者はそのまま本塁を踏んだ。しかし、一塁走者は捕球されたのを見て一塁に引き返そうとした。右翼手は一塁へ送球、一塁手は一塁走者が帰塁するより先に、塁に触球してアウトにした。二塁走者は、一塁走者が一塁でアウトになるより先に本塁を踏んでいるが、その得点は認められるか。

 【答】守備側がアピールしない限り、二塁走者の得点は認められる。しかし、守備側は、アピールによる第三アウトの成立後であっても、このアウトよりも有利となるアピールアウトを先の第三アウトと置きかえることができるから、二塁でアピールすればリタッチを果たしていない二塁走者はアウトになり、得点とはならない。