8日開幕の第95回全国高校野球選手権に出場する福島代表の聖光学院が2日午前、JR福島駅から甲子園へ出発した。

 7月31日に18人のベンチ入りメンバーが発表されたが、「背番号1」に指名されたのは左腕の今祐也(3年)。昨秋から今春のセンバツ、福島大会までの左腕石井成(2年)から、エースが交代するサプライズだった。今は入学直後に左肘を骨折して1年間のリハビリに耐え、春の県大会で公式戦初登板後に急成長。夏の準々決勝・学法石川戦では8失点降板した石井に代わって7回2/3を4安打1失点と好投して逆転勝利に貢献するなど、7連覇の原動力になった。

 昨秋は背番号10で春以降は11だった。はい上がってつかんだ初のエースナンバーに今は「正直、うれしい」と言いながら「チームの顔として、行動だったりピッチングを見られる」と気を引き締める。「どんな苦しい場面でも三振が取れる投球をしたい」と意気込みを語った。

 地元出身の古関裕而が作曲した「栄冠は君に輝く」が流れる中、選手33人は部員、保護者、学校関係者らに見送られ、笑顔で決戦の地へと旅立った。今日3日は午前9時半から甲子園練習を行う。【高場泉穂】

 ◆今祐也(こん・ゆうや)1995年(平7)8月3日、東京都江戸川区生まれ。小4の時、葛西ユニオンズで野球を始め、中学時代は硬式の城東ボーイズに所属。聖光学院では2年秋からベンチ入り。175センチ、81キロ。左投げ左打ち。家族は両親、兄、姉。