<全国高校野球選手権:組み合わせ抽選会>◇5日◇大阪フェスティバルホール

 5年ぶり4度目出場の常葉学園菊川(静岡)は、49代表校の中で最後の登場となる第7日第3試合(午後1時開始予定)に決定。対戦相手は第1日の結果待ちとなった。県勢のしんがり出陣は、49代表制となった78年以降では79年の富士以来2度目となった。

 30番目に主将の松木大輔捕手(3年)が引いたくじが、常葉菊川を未知の領域へと導いた。初戦は日程が順調に消化されても14日となり1週間以上も先だ。森下知幸監督(52)は「今までで、こんなに遅いことはない」と苦笑いだ。

 今春のセンバツでは、第1日第3試合から16強に進出した。勢いの重要性を知るチームとしては、一番嫌な試合日だ。指揮官は「ランニングを多めにする日や休養日を作ったりしてメリハリをつけないといけない」と調整の再考を明言。「休みにはみんなで京都に行ってもいいね」と、選手の気持ちを切らさない方法を模索した。

 さらに、今大会から1回戦の勝者がくじを引いて2回戦のカードを決める方式に変わったため、対戦相手の候補も6校。大垣日大(岐阜)有田工(佐賀)日本文理(新潟)大阪桐蔭、箕島(和歌山)日川(山梨)。この3試合が行われる8日までは、明確な目標もない。松木は「相手は決まるだろうと思っていた。最悪です」と終始うつむきっぱなしだった。

 もっとも、一見不利な状況をことごとく打開してきたのが現チームでもある。センバツ前の練習試合では打線が不調だったが、本番では2勝。その後は、2年生を外して戦力が落ちたものの東海大会優勝まで駆け抜けた。練習ではスイッチが入らない選手には、想定外の状況こそ刺激となる可能性がある。常葉菊川の真の力が見られるとも考えられる日程だ。【石原正二郎】