第95回全国高校野球選手権(8日開幕、甲子園)の組み合わせ抽選会が5日、大阪フェスティバルホールで行われた。初出場の弘前学院聖愛(青森)は、大会第4日第3試合で玉野光南(岡山)と対戦。2年エース太田幸司を擁した68年の三沢以来となる青森県勢夏初出場初勝利を目指す。

 弘前“りんごっ子”聖愛の相手は“ももの国”岡山の玉野光南に決まった。敵情報が全くないため、原田一範監督(35)は抽選会が終わると甲子園の雑誌ですかさず相手をチェック。原田監督は「(田野昌平)監督がかっこいいと思いました」。一戸将主将(3年)も「岡山といえば…桃太郎」と報道陣を笑わせた。

 和やかムードの中でも一戸主将は「相手は関係ない。持ち味の声と走りの野球を見せたい」と気を引き締めた。4日の甲子園練習ではほとんどの選手が緊張し、球場の雰囲気にのまれて思うように動けなかった。その夜、宿舎で1時間ミーティングをして反省。「練習から甲子園を意識して、笑顔を忘れないように、と話しました」。明けた5日の練習では、全員が大きな声を出し、ところどころで笑顔がはじけた。「敵は相手じゃない」と原田監督。初出場のプレッシャーをはねのけ、初戦に気持ちを高めていく。

 暑さ対策も万全だ。大阪入りの直前に、気温50度のビニールハウスで練習してきたこともあり、大阪でも「そこまで暑いと感じません」と一戸主将は話す。練習でも全員長袖の下着を着用。汗を効率よく吸収し、体力を消耗しないよう気を使う。体重も毎日測定し、脂っこいものを極力食べないようにするなど、準備は怠らない。

 初戦に勝てば、青森県勢では68年の三沢以来45年ぶりとなる初出場初勝利となるが、目標はもっと上の「日本一(一戸主将)」だ。青森山田、八戸学院光星の2強を破り新時代を切り開いた弘前学院聖愛が、さらなる歴史をつくる。【高場泉穂】