夏3度の甲子園出場を誇る所沢商(埼玉)に「二投流」エースが現れた。増田一樹投手(3年)だ。プロ野球で注目される日本ハム大谷のような打って投げる「二刀流」ではない。左右どちらでも投球可能な両投げ投手だ。右肘を故障して左投げを始め、その故障が完治して今年、左右両投げのエースが誕生した。

 ▼米国では

 08年6月19日にマイナーリーグで両投げ投手が記録されている。ヤンキース傘下1Aスタテンアイランドに属したパット・ベンディットがこの日、初登板。ブルックリン・サイクロンズ戦で、打者は両打ちラルフ・エンリケス。ベンディットは、エンリケスが右打席に入ったのを見て右で投げようとするとエンリケスは左打席に。こんな右左のやりとりが続いたため、審判は打者に打席を選択するよう指示。右対右の対決となり、ベンディットが三振を奪った。これがきっかけで野球規則に8・01(f)を加えさせた。近代メジャーでは95年9月28日、エクスポズのグレッグ・ハリスが1試合で両投げを記録。これ以降は出現していない。