夏3度の甲子園出場を誇る所沢商(埼玉)に「二投流」エースが現れた。増田一樹投手(3年)だ。プロ野球で注目される日本ハム大谷のような打って投げる「二刀流」ではない。左右どちらでも投球可能な両投げ投手だ。右肘を故障して左投げを始め、その故障が完治して今年、左右両投げのエースが誕生した。

 両手で投げられても、1球ごとにその手を変えて投球することはできない。野球規則8・01(f)にこうある。「投手は打者がアウトになるか走者になるか、攻守交代になるか、打者に代打が出るか、あるいは投手が負傷するまでは投球する手を変えることはできない。投手が負傷したために同一打者の打撃中に投球する手を変えれば、その投手は以降再び投球する手を変えることはできない」。増田に確認すると「それは知ってます」。投球する際には、どちらかの手にグラブをはめて球審、打者、走者に、投球する手を明らかにしなければならない。また投球する手を変える場合、準備投球を行うことは認められない。