<高校野球北北海道大会:旭川東7-5旭川北>◇4日◇旭川地区Aブロック2回戦◇旭川スタルヒン

 俺たちは本家・甲子園に行く!

 旭川地区で旭川東が2年ぶりの北北海道大会進出に王手をかけた。5番今田敢己(かんご)中堅手(3年)の2点適時打などで旭川北を下した。全国高校俳句選手権(略称・俳句甲子園)に12年連続で出場する同校文芸部に刺激を受けながら、聖地を目指す。

 旭川東が俳句(5・7・5)のようなスコア7-5で代表に王手だ。先制された直後の3回表、一気にビッグイニングをつくった。同点に追い付き2死一、二塁。4番堀井生(しょう)捕手(3年)の右翼線への適時二塁打で勝ち越すと、5番今田の適時打で2点追加。小倉貴彰監督(40)は「あそこでよく打ってくれた。よく大量得点できた」。4回にも3得点で逃げ切った。

 「甲子園常連」の文芸部には負けられない。小倉監督は「文芸部の顧問の太田先生に『野球部も頑張ってくださいよ』と言われるんですよ」と明かす。同じ「甲子園」を目指す者同士。平原大基主将(3年)は文芸部が12度出場と聞き「いつも出てると思ったけど、そんなに出てるんですか」と驚き顔。「僕たちも頑張ります」と対抗心を燃やした。

 「甲子園で勝つ」がチームテーマ。練習前は全員必ずそのテーマを叫んでからグラウンドに入る決まりがある。今年から「技術、体力はあるから」(小倉監督)と、さらに上を目指してメンタルトレーニングを取り入れた。堀井は「チャンスで打席に入った時の気持ちを常に想像してきた」。ここぞで打てる集中力を身につけ、2度の1イニング大量点につなげることができた。

 旧制旭川中時代も含め過去決勝に10度進み、全敗という悪夢を払拭(ふっしょく)し、悲願の聖地切符を狙う。平原主将が「熱い夏

 全力尽くせ

 甲子園」と照れながら一句詠むと、まわりからは「普通」「おもしろくない」などとダメ出し。「ちゃんと季語も入ってるから!」としっかり俳句の心得を理解していたが、俳句は文芸部に任せ、野球で甲子園初出場をたぐり寄せる。【保坂果那】

 ◆全国高校俳句選手権

 略称は俳句甲子園。高校生を対象にした俳句コンクールで毎年8月、愛媛・松山で開催される。今年の北海道大会は6月に行われ、12年連続全国出場を決めた旭川東のほか、札幌琴似工、小樽潮陵が参加した。