<高校野球愛媛大会:済美8-0三島>◇16日◇1回戦◇西条市ひうち球場

 最速157キロ右腕、済美の安楽智大投手(3年)のラストサマーは「恩返し」の完封発進だ!

 愛媛大会の1回戦で三島相手に5安打7奪三振。公式戦では右肘を故障した昨秋以来、297日ぶりの登板で、エースらしく成長した姿を披露した。

 ネット裏でも安楽をめぐる「熱戦」が繰り広げられた。今秋ドラフトの目玉投手の夏初戦に、この日は10球団28人のスカウトが視察に訪れた。「1位候補」として熱視線を送る阪神は、中村勝広GMら5人が足を運び、巨人も負けじと山下哲治スカウト部長ら5人のスカウトがチェックした。

 阪神中村GMは、8回裏のピンチで三振に打ち取ったことに「ピンチでもビシッと決められるのは、堂々たるもの」と評価。「まだまだ磨けば光る素材。ストレートの魅力のあるピッチャー。かなり腕も振れている。(故障から)回復している印象」と太鼓判を押した。巨人山下スカウト部長も「スケールが大きい。完投能力がある。評価Aは間違いない。数字(球速)が戻れば、十分1軍の戦力になる」と話した。