<高校野球北北海道大会:旭川大高2-1江陵>◇19日◇1回戦◇旭川スタルヒン

 北大会優勝回数最多7度を誇る旭川大高が、5年ぶりの甲子園へ江陵を相手に逆転勝利で発進した。2回に先制点を許し、打線は6回まで5安打を放ち、得点圏に3度走者を進めながらもあと1本が出ずに無得点。7回、先頭の7番上杉主将がバント安打で出塁すると、野選などで2死二、三塁。相手のリズムが崩れたところで2番藤川、3番木村の連打で2点を奪った。端場雅治監督(45)は「終盤が勝負だと思っていた」と狙いどおりの試合展開に持ち込んだ。

 後半に勝負を仕掛けた。7回の逆転のきっかけをつくった上杉主将は、自らの判断でバント安打を試みた。チーム1の俊足で50メートルは6秒。「打てないなら、足でカバーしたいと思った。自分たちの野球はこれ。ロースコアゲームです」と胸を張った。地区予選でも初戦は旭川農に3-0、代表決定戦も旭川東に2-1と派手さはないが、しぶとく勝ち上がってきた。

 名門としての意地がある。甲子園に出場した09年以来、北北海道大会すら届かなかった。久しぶりに戻ってきた、聖地への挑戦の舞台。決勝打を放った木村は「ここまで来たら実力じゃない。気持ちです」と強調する。次戦の相手は昨春21世紀枠でセンバツ出場の遠軽。相手に不足はない。【保坂果那】