<高校野球宮崎大会:日南学園2-0日章学園>◇23日◇決勝◇サンマリンスタジアム

 エース左腕横川楓薫(ふうが)投手(3年)が4安打完封を飾り、日南学園が3年ぶり7度目の夏切符をつかんだ。「完投はいつ以来か分からないです」とこれまで継投で勝ってきたが、決勝戦は背番号「1」が躍動した。

 2点リードの6回2死満塁のピンチで、右打者の内角へ直球をズバッと投げ込み、力ない三ゴロに打ち取った。「絶対打たれたくなかったので、一番得意な球でいきました」。一塁寄りの投手プレートを踏み、斜めへ食い込むクロスファイアを投げ込む。177センチ、最速も139キロだが、スピンが効いている。ブルペンでもこのコースだけを集中して練習。毎晩、寝る前に1キロの鉄の球を握って手首と指先を鍛えた。

 昨夏、準決勝で敗れた延岡学園が全国準優勝。金川豪一郎監督(36)は「昨年負けて差は感じなかった」と話す。この試合、横川は股関節を痛めた影響で投げることができなかった。「甲子園で勝って宮崎をもっと盛り上げたい」。練習後にはグラウンド近くの川で水遊びするというワイルドなイケメン左腕が、今大会4試合無失策の鉄壁なバックを連れ、宮崎県民悲願の全国制覇へ挑戦する。【石橋隆雄】

 ◆日南学園

 1951年(昭26)各種学校の日南経済専門学院として創立の私立校。66年に日南商となり82年から現校名。生徒数は570人(女子276人)。野球部は66年に創部。部員は94人。甲子園は春4度、夏は7度目の出場。OBに寺原隼人(ソフトバンク)、赤田将吾(日本ハム)ら。宮崎県日南市吾田東3の5の1。藤原昭悟校長。◆Vへの足跡◆2回戦不戦勝宮崎海洋3回戦4-0福島準々決勝10-0宮崎大宮準決勝3-1宮崎日大決勝2-0日章学園