<全国高校野球選手権:星稜5-4静岡>◇12日◇1回戦

 石川県大会決勝で9回に8点差を逆転した星稜は、2点差を終盤に逆転し、16年ぶりの夏1勝を挙げた。

 ミラクル星稜が逆転で16年ぶりに初戦を突破した。石川大会決勝で9回裏に8点差をひっくり返したナインは、2点ビハインドをものともしなかった。7回裏に相手失策と中村の適時打で追い付くと、8回裏1死二塁にエース岩下が適時二塁打で勝ち越し。11年に就任後、甲子園での初勝利を飾った林和成監督(39)は「16年分の思いが詰まった勝利」と喜びをかみしめた。

 昨夏の初戦敗退から必勝と笑顔をもじった「必笑」をテーマに掲げ、取り組んできた。チーム結成時に岩下が「星稜は笑わないイメージだけど、自分たちは新しいイメージをつくっていこう」と提案。山下智茂名誉監督(69)が厳しい練習で築き上げてきた伝統に自分たちの色を加えた。逆境に立たされたときほど「必笑」を心掛ける。岩下は「石川大会で負けたチームのためにも絶対1勝と思っていた。優勝旗を持って帰りたい」と決意を新たにした。

 ◆星稜の大逆転

 7月27日、石川大会決勝(石川県立野球場)で9回表まで0-8で負けていた星稜が、9回裏に一挙9得点で逆転サヨナラ勝ちした。打線が8回まで2安打に抑えられていたが、9回に岩下の2ランなど8安打2四球に振り逃げも加わり、打者13人の攻撃で逆転した。