<高校野球北北海道大会:駒大岩見沢4-3北見北斗>◇18日◇1回戦

 17日に降雨ノーゲームで仕切り直しとなった北北海道の1回戦は、駒大岩見沢が4-3の9回サヨナラ勝ちで北見北斗を振り切った。

 王者駒大岩見沢は必死だった。同点で迎えた9回裏2死走者なし。4番松本主将が左前打で出塁すると、高橋真次監督(33)は5番及川のポケットにお守りを忍ばせ、送り出した。7回の好機にも渡したが、四球で1度は返されたものだった。負けているわけではない。それでも、お守りをもう1度渡さなければならないほど、実は追い込まれていた。

 前日から煮え湯を飲まされてきた島崎の直球を及川が強振した。右中間を破る二塁打。一塁から一気に生還した松本はホームで跳び上がって喜んだ。初戦負けを回避し、高橋監督は「結果勝てて良かった。昨日と同じ展開でしたから。本当に苦しみました」と安堵(あんど)した。0-2の6回裏途中で打ち切りとなった前日から15イニング目、9回裏で2日間にわたる死闘にケリをつけた。

 1年生投手の公式戦初先発という奇策にのみ込まれかけた前日の雨天ノーゲームの反省を生かした。試合後の宿舎ミーティングで「ボール球に手を出さず、センター方向への打球を徹底していこう」と確認した。6回まで2点リードを許す、2日連続でまさかの展開となったが、7回に3、4番の連続中前打などで同点。前日は6回途中までで散発の5安打に抑え込まれた相手に、最終的に12安打を浴びせた。

 夏の厳しさを身を持って味わった。サヨナラ打を放った及川は「夏は後がない。負けたら終わり。必死にくらいついていかないといけない」と、簡単な試合はないことを痛感した。3季連続の甲子園へ、この苦戦を糧にする。【小林明央】