<高校野球静岡大会:浜松商12-9静岡学園>◇20日◇4回戦
8強が出そろった。夏優勝9回の名門・浜松商は12-9で静岡学園に逆転勝ち。両軍合計30安打の乱打戦を制して、8年ぶりに8強入りした。準々決勝4試合は、22日に行われる。
二転三転する試合を決めたのは、浜松商史上最強打線だった。山田忠監督(46)の「今日は、6点勝負」という言葉が物語るように作戦通り打撃戦に持ち込んだ。両チーム合わせて30安打、21得点。試合時間は、3時間28分に及んだ。連戦で疲れていても、暑くても研ぎ澄まされた極限の集中力で1球をとらえた。
甲子園に出場した8年前。平均得点は県予選で7.4(6試合)だったが、今夏は9・75得点だ。史上最強打線を生んだのは、昨冬。きっかけは秋季大会準々決勝・東海大翔洋戦で打ち負けたからだった。「結局、打てなきゃ勝てない」(山田監督)の方針の下、練習内容を一新した。高校球児は冬場は走るもの、筋トレに励むものという概念を捨て、一日中バットを振った。1日4時間の練習が、実戦形式の打撃だけの時が続いた。8回に決勝犠飛を放った1番篠ケ瀬健人(3年)は2カ月で3万スイングを超えた。7回に適時三塁打を放った4番鈴木紳右(3年)は新品の打撃用手袋を4枚ボロボロにした。誰もが、何度も何度もマメをつぶし、血が噴き出す両手の痛みをたえながら振り続けた。「甲子園に行くために」(篠ケ瀬)。一冬を越え、手のひらはガチガチになった。
19日の榛原戦も0-5の敗色濃厚の場面から逆転勝ち。「今年のチームは最高ですよ」と指揮官は目を細めた。5回2/3を8安打4失点に抑えた榑林賢吾投手(3年)は、目を充血させて言った。「8回に逆転した時、浜商野球部に入って良かったと思った。全身の鳥肌がバァーって立っちゃって…。浜商野球部を誇りに思います」。08年夏型の浜商野球は、強い。【鶴智雄】

