<高校野球群馬大会:桐生一2-1樹徳>◇25日◇決勝

 桐生一が田中清文(3年)、清村悦礼(3年)の必勝リレーで樹徳を2-1で振り切り、2年ぶり9度目の頂点に立った。9回表2死一、二塁。長打が出れば逆転の場面で背番号11の守護神・清村が1球ごとに雄たけびを上げる。「バックを信じ、気持ちを込めて投げました」。最後の打者を見逃しの三振に仕留め、5試合連続で勝利の方程式が完成した。

 盤石の継投だった。先発のエース左腕・田中が初回のピンチを切り抜けると、6回まで走者を1人も出さない完ぺきな内容。外野まで飛んだ打球もなかった。「後ろがしっかりしていますから。初回から飛ばしました」。7回を2安打1失点で10奪三振。後を受けた清村は8、9回にピンチを招いた3奪三振と気迫ある投球で切り抜けた。

 23日に同校の生徒が暴行を受け死亡し、元生徒が逮捕される事件が起きた。その影響でこの日もブラスバンドなど全校応援は自粛。野球部員やサッカー部員、保護者など約200人と樹徳側約500人と比べ少ない応援団だったが、そのハンディもはねのけた。田中が「打たせる投球をして、清村につなげたい。2度目の日本一を狙いたいです」と言えば「リードは守り抜きます」と清村。必勝リレーで9年ぶりに優勝旗を持ち帰るつもりだ。【横山元保】