<高校野球埼玉大会>◇13日◇2回戦

 国内8球団19人のスカウトが熱視線を送る中、タイ人の母を持つ和光・佐野泰雄投手(3年)が朝霞戦に先発して、3-2で接戦を制した。春の県大会ベスト8の強敵に7安打こそ許したものの、9三振を奪って2失点で完投した。佐野は「打たせて取れば、周りも乗って雰囲気が良くなるから。投手戦になると思ったけど、点が取れて今日は全員で勝った」と喜んだ。

 調子自体は良くなかった。前日(12日)の練習でも「球が伸びなくて、沈む感じだった。でも気合全開で行こうと思った」と振り返った。この日の最速は141キロ。昨夏の初戦、小鹿野戦で記録した18三振には遠く及ばなかったが、それでも左腕からの鋭いスライダーを有効に使った。日本ハムの今成泰章スカウトは「腕がしなやかで、変化球がいい。天性の感覚の良さがあって、身体能力が高い」と話し、評価を下げることはなかった。