<高校野球山形大会>◇18日◇1回戦

 学校創立127年目の古豪、山形東が2-0で九里学園を下し、夏通算155勝目を挙げた。県内屈指の進学校としても競い合う山形南に並び、私学・日大山形の通算173勝に続く公立校トップタイ記録。昨年まで山形南の監督だった佐藤陽一監督(49)は「山東らしい自分たちの野球を最後までやってくれた」と選手たちをたたえた。

 昨春からエースの高橋拓(3年)が、昨夏までの下手から横手投げにフォーム改造し、5安打で県大会初完封を飾った。8回表2死から3者連続死球で満塁のピンチを背負ったが、相手4番を空振り三振に仕留めた。高橋は「自分でつくったピンチだったので切り抜けたかった」と最高気温33度の真夏日のマウンドを振り返った。

 女房役の安部晋之佑捕手(3年)が助けた。6回裏1死三塁でスクイズを決め、エースの負担を軽減させた。同じ読みの巨人阿部の配球もテレビで研究。「頑張って追いつきたいです」と意欲を見せた。

 ともに勝ち上がれば、ライバル山形南と3回戦で対戦する。伝統の定期戦は今年、積雪で中止になった。教え子同士の対戦になるが、佐藤監督は「次の試合(2回戦)のことで精いっぱいです」と笑顔でかわした。【佐々木雄高】