<高校野球長崎大会>◇19日◇3回戦

 優勝候補の海星がまさかの大苦戦で、川棚に5-4で逆転サヨナラ勝ちした。川棚に1点リードされて最終回を迎えた。土俵際から必死に粘る。四球を足がかりに大山仁也主将(3年)が同点打。三塁に進み、三ゴロで強引なスタートを切って捕手のタッチをかいくぐり、サヨナラのホームに突入した。

 試合後、加藤慶二監督(36)の顔も目も真っ赤だった。「ぶつかっていく力、目の色で川棚に負けました。この試合を選手がどう受け止めるか。自分は悔しくて涙が出ましたから」。意表を突く、背番号5の黒崎先発にまんまとはまった。「全く予想してませんでした。投球練習を見て、どんな投手が初めて知りました」と加藤監督。80キロ台のスローカーブにほんろうされ、8回に逆転を許した。

 大山は「向こうは目の色が違っていた」。苦しんでつかんだ1勝。「夏の怖さというか、私は1回死んだと思っています」。加藤監督は、再出発の思いを言葉にこめた。【実藤健一】